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北山敬三のブログ

物事を考えるフレーム(型・枠組み)が大切

2017.3.21 9:37 AM

コーチングを学び始めた頃、フレームワークの意味が分からなくて苦労しました。
フレームワークとは、物事を考える手順であり、型・枠組みです。
その枠の中に、アイデアや考えをまとめ、深掘りをして、次の枠へ移行する。
同じ手順で、枠を移行していく。
こうしていくと、
何について話しているのか、
どこの話をしているのか、
何が必要なのかということなどがはっきりしてきます。
型を作って、論理的に物事を考える方法論です。

私はフレーム(型・枠組み)を何度も繰り返しやりながらやって
身に付けていきました。
この反復練習は、とても効果的だったので自分の研修でも活用しています。
上手くなるコツは、決められた型をできるようになるまで繰り返すことです。

 

 

今回の事例は、株式会社西井製作所さまの鳥栖工場。
今年の1月から3月にかけて毎月1回の研修を3回行いました。

西井社長からのミッション

「10名いるメンバーに改めて自分たちの存在意義や重要性を認識して欲しい。何名かのメンバーが方向性を見失っていたり、あるいは何のために仕事をしているのかが良く分からなくなっている。その辺りを明確にして、モチベーションを上げて欲しい」

 

メンバーの状態

男性と女性が、半分半分の職場で、団結力はある。
仕事への取組みの姿勢は良い。
時間に追われ、自分のことで精一杯。
思っていることがたまに言えない。
目標は達成できていない。
プロセスの回し方を理解していない。
決められたことの継続ができていない。
不良品への取り組みが十分ではない。
会議が上手く機能していない。
面談も効果的でない。
などなど、メンバーからの意見がたくさん出ました。

 

「何をどうするか?、どう取り組むか?」をみんなで考えた

この研修では、理想の姿をイメージしてもらい、
そして現状を振り返りました。
そこに生まれたギャップを埋めるために、何をどうやって取り組むかということを、KJ法を使ってメンバー全員で話し合ってもらいました。

最初の頃は、
「難しい」
「ようわからん」
「アイデアが浮かばない」
と苦労していました。
ここでの私の対応は、静観です。
絶対に答えを出してくれるから、そこまでは我慢比べです。

やがて、一人二人、一つ二つの意見が出てきます。
「なんだ、こんな意見でもいいんだ」
「あれっ、私も同じこと考えていた」
「難しく考えるより、簡単なことから言えばいいんだ」
「求められているのは正解じゃなくて、たくさんのアイデアなのね」
そうやってメンバーに笑顔が戻ってきます。

出てきた意見をまとめて、次回の研修までにやってくること
具体的なTO DO LIST を作成して第1回目の研修は終了しました。

メンバーは、話し合いに夢中になってくると立ち上がって座りません(笑)
その方が、話に集中できるそうです。

 

振り返りの重要性

第2回目の研修では、前回のTO DO LIST の振り返りを徹底して行いました。
「振り返りの手順」というフレーム(型・枠組み)を説明して、実践してもらいました。
その中であるメンバーが興味深い発言をしてくれました。
「振り返りをしながら思ったのですが、自分たちは現状分析までしているけど、その先の自己評価や気づきをやっていない。そこが深まらないままで次の計画へ行ってしまうので、上手くいかないのですね」

私の師匠の田近先生がいつも言われています。
「やりっぱなしは企業文化を損なう。何のために振り返るのか?その目的を明確にしていないから、何度も同じ失敗をする」
自分が経営者の時に知っていればよかったなぁ~と思う名言の一つです。

鳥栖工場では、メンバーの一人がこのことに気づいてくれました。
彼は技術者で、どうやったら伝わるのかで悩んでいたのです。
「具体的なやり方はこれから考えますが、その兆しが見えてきました。なぜなら、手順というフレーム(型、枠組み)が分かりやすく、応用しやすい。ここで全員が体験したことで、実践で使いやすくなりました。加えて、手順がはっきりしていると、自分が今どこの話をしているのかも説明でき、みんなも焦点が絞れて深掘りができるようになりますね」
と嬉しそうに語ってくれました。

この日振り返った話し合いの内容は、以下の通り。
・不良品への取り組み
・時間管理
・社員教育
・コミュニケーション
全て自分たちでリードしながら、結論へ導いていきました。

 

何がどう変わったのか?

研修の最後に言われた西井社長からのメッセージ。
「数年前、会議をやっていた時に全く意見が出てこなかった。数か月前もそれほど変わっていないと思っていた。でも、今日みんなの姿を見ていてとても頼もしく感じられました。全然違うチームになっていました。本来、こうした研修はリーダークラスの研修ですが、鳥栖の皆さんに敢えてやってもらいました。その理由は、会社の目標達成だけでなく、自分の夢の達成や地域社会の貢献にも必ず役に立つと思ったからです。どこかで追い込まれた時に、ここで学んだことが絶対に『糧』になるはず。役に立てて貰えればいい。そして、それを高い成果に結び付けていって下さい」
広い視野で物事を観られている西井社長の人柄が伺えました。

鳥栖工場の変化
1)自分たちで主体的に話し合うようになりました
2)全員の意見を引き出せるようになりました
3)最後まで、人の話を聞けるようになりました
4)面談が面白くなり、20分持たない面談が今では1時間以上となり、
上司の話が減り、部下がたくさん話しています

5)自分たちの方向性が明確になりました
6)取り組むべき目標も分かってきました
7)情報もホワイトボードを使って見える化しています
8)会議のファシリテーションも上手くなりました
9)決めたことを継続しています
10)言いたいことも言い合えるようになりました
11)フレームワークが使えるようになった

彼らの成長は、現在進行形!
今後、爆発的に成長していくと信じています。
西井社長は半年後に、
「北山さん、鳥栖のメンバーはすごい成果を出していますよ」
と自慢話をしてくれるそうです。
楽しみ、楽しみ~~~

そして、そのメンバーはこちら

「想いを一つに協力し合えるチームで目指せ!!プレートメーカーNo.1」
このビジョン達成のために、西井製作所鳥栖工場は今日も笑顔で邁進中です!!!