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北山敬三のブログ
変わるとは、自分の価値観・信念を手放すこと・・・
セッションの話し合いの中で、
部下の言葉に社長が反射的に怒りを露わにした。
周りからすればどうでもいいことなのに、
自分の価値観と違うから
側にいた社員さんたちから、
また、いつものが始まったよ。
見苦しいなぁ。
これだから、誰も何も言えなくなるんだよ。
そんな声が聞こえた。
セッションが終わり、珍しくその社長が二人の部下と話し合ってい
「なぜ、あの時あんなに怒ったんですか?」
そう問われた社長は、
「そりゃそうじゃろう。あんな言われ方をしたら誰だって腹が立つと思わんか?」
「ワシのプライドを守りたかったんよ。ちっちゃいかもしれんがの・・・」
そして、
「でも、ワシをバカにしたようなあの発言が許せんかったんじゃ」
そう答えた。
唖然としながらも、もう一人の部下が、
「彼にそんな意図はなかったですよ。捉え方が間違っていますよ」
そう助言したが、全く聞く耳を持たない。
「どこがそうなんじゃ。あの間違いを正さないと気が済まんかった。
それとも、ワシが間違っているというんか・・・」
と、ただただ自分の正しさを社長は主張する。
それでも、懸命に想いを伝える部下たち。
伝わらない歯がゆさを感
素晴らしい社員さんたちだ。
1時間ほどだろうか
部下がこれほどの情熱を傾けてあれやこれや伝えても、
「意味が分からん。理解できん。あいつの発言が許せん」と社長は繰り返す。
残念ながら、理解しようと歩み寄ることもないように見えた・・・。
一方的に自分が正しいと主張しても何も解決しない。
今の日韓問題みたいだった。
自分の正しさを競い合えば、必ず争いになる。
自分を尊重して欲しければ、まずは相手を尊重すればいい。
それぞれに「正しさ」があり相手の「正しさ」を尊重する。
異なる「正しさ」を持った者同士が、協力していくためには、これしかない。
その状態を作るためには、相手を非難することをやめて相手を知ること。
相手は自分の言い分をどのように受け入れたのか?
その時私は、彼の言い分をどのように受け容れ、どう反応したのか?
それをお互いに知ること。
決して感情的にならずに相手の立場を想像してみるといい。
この社長が持ち続けているその価値観や信念が手放せた時に、社長は
部下のその発言を許せるようになった時に。
社長に必要なのは、自分の価値観と信念を手放す勇気。
そこに気づいたら、変われる。
彼らの会話を聞きながらそう思った。